破産管財人の弁護士が行う不動産売却の手続きと役割
自己破産で管財事件となった場合、裁判所により選任された破産管財人が破産者の財産を管理・処分し、債権者への配当を担う立場となります。
不動産を所有している破産者の場合、破産管財人がその売却を主導することになり、通常の不動産売却とは異なる流れで進められる点に注意が必要です。
ここでは、破産管財人の弁護士が行う不動産売却の手続きと役割について順に紹介します。
破産管財人の弁護士が担う役割
破産管財人は、破産手続開始決定と同時に裁判所が選任する者で、実務上は弁護士が選任されるのが通例です。
選任後は破産者の財産の管理処分権が破産管財人に専属することになり、不動産の売却も破産管財人の判断で進められます。
破産財団の管理と換価業務
破産管財人は、破産財団に属する財産の管理処分権を持ちます。
破産者の不動産は破産財団に組み入れられるため、破産管財人が売主として売却手続きが進められます。
破産管財人の主な業務内容は、次のとおりです。
- 破産財団に属する財産の調査と評価
- 不動産などの換価
- 担保権者との抹消交渉
- 売却代金からの債権者への配当
不動産売却は金額が大きく、配当原資に直結するため慎重な進行が求められます。
債権者への公平な配当
破産管財人は、特定の債権者に有利な処分を行うことはできず、債権者全体に公平に配当する義務を負います。
そのため、不動産を市場価格に近い金額で売却し、できるだけ破産財団を大きくする努力が必要です。
売却価格が低すぎる場合には、裁判所から許可が下りない可能性もあります。
破産管財人による不動産売却の手続き
破産手続における不動産換価は、破産管財人が行う任意売却と競売の2つの方法に大別されます。
任意売却の流れ
任意売却は、取引市場で買主を探し、相対取引で売却する方法です。
競売よりも高値で売れる傾向があるため、破産管財人は原則として任意売却を優先します。
主な流れは次のとおりです。
- 不動産業者への査定依頼
- 抵当権者など担保権者との抹消交渉
- 買主の選定と売買契約の締結
- 裁判所への売却許可申請と決済・登記
不動産の任意売却には裁判所の許可が必要で、決済時までに破産者自身は物件からの退去・明渡しを完了させておく必要があります。
競売や財団放棄になるケース
抵当権者が任意売却に同意しない場合や買主が見つからない場合は、競売による換価へ移行することになります。
競売は市場価格よりも低い金額で落札される傾向があるため、配当原資が減少しやすい点が課題です。
さらに、不動産の価値が低く住宅ローン残債が大きく上回るケースでは、破産管財人が裁判所の許可を得て破産財団から不動産を放棄する判断をする場合もあります。
その後は競売になることが多いでしょう。
まとめ
破産管財人の弁護士は、破産者の不動産を破産財団として管理し、債権者への配当のために任意売却や競売で換価業務を行います。
売却には裁判所の許可や担保権者との交渉が伴い、通常の不動産売却よりも複雑な手続きとなる場面が多く見られます。
破産に伴う不動産売却でお困りの際は、柳原法律事務所までお気軽にご相談ください。
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柳原 桑子Yanagihara Kuwako
LAWYER 弁護士紹介
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